<Header>
<Author: 白居易>
<Title: 初入峽有感>
<Format: 五言古詩>
<Year: 1964>
<BookName: 漢詩大系  白樂天>
<Translator: 田中克己>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 初（はじ）めて峽（けふ）に入（い）りて感（かん）あり>
<BookPage: 282-284>
<UsedPage: 3>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
上有萬仞山，下有千丈水。蒼蒼兩岸間，闊狹容一葦。
瞿唐呀直瀉，灩澦屹中峙。未夜黑巖昏，無風白浪起。
大石如刀劍，小石如牙齒。一步不可行，況千三百里。
苒箬竹蔑𥮘，欹危楫師趾。一跌無完舟，吾生繫於此。
常聞仗忠信，蠻貊可行矣。自古漂沉人，豈盡非君子。
況吾時與命，蹇舛不足恃。常恐不才身，復作無名死。
<End Poem>
<Translation>
上には万仞の山があり、下には千丈の水がある。
青い両岸の崖のあいだは、わずかに小舟を一隻とおすだけのはばである。
瞿唐峽で流れがまっすぐにそそぎ、そのまん中に灩澦堆がそばだっている。 
岩は夜にならないうちから暗く、風もないのに白波が立つ。
大石は刀剣のようで、小石は牙のように鋭い。
一歩もゆけないようなところで、千三百里の忠州まではたいへんである。
竹のなわを多くつけて舟をひくが、船頭たちの足もとの危いこと。 一度つまずけば舟はくだけるので、生死はここにかかっているのだ。
ふだん聞いていることでは「忠信をもととすれば、野蛮人の国にも行ける」と。
しかし遠国にやられる人は、みな忠信をもととする君子ばかりである。
ましてわたしは時と運命とに、くいちがいの多い男なのだ。
だからいつも不才の身をもって、犬死にするのではないかと心配する。
<End Translation>
<Formatted Translation>
上には万仞の山があり、
下には千丈の水がある。
青い両岸の崖のあいだは、
わずかに小舟を一隻とおすだけのはばである。
瞿唐峽で流れがまっすぐにそそぎ、
そのまん中に灩澦堆がそばだっている。 
岩は夜にならないうちから暗く、
風もないのに白波が立つ。
大石は刀剣のようで、
小石は牙のように鋭い。
一歩もゆけないようなところで、
千三百里の忠州まではたいへんである。
竹のなわを多くつけて舟をひくが、
船頭たちの足もとの危いこと。 
一度つまずけば舟はくだけるので、
生死はここにかかっているのだ。
ふだん聞いていることでは「忠信をもととすれば、
野蛮人の国にも行ける」と。
しかし遠国にやられる人は、
みな忠信をもととする君子ばかりである。
ましてわたしは時と運命とに、
くいちがいの多い男なのだ。
だからいつも不才の身をもって、
犬死にするのではないかと心配する。
<End Formatted Translation>